お風呂のコスト
冬はガス代が高い。ひと月に一万円を超えることも珍しくない。
そこで実際にどのくらいのガス代がかかるのかを計算してみよう。
条件の設定
まずは計算必要な変数を集めよう。
- プロパンガス
- 燃焼熱 46.36-50.35 MJ/kg (*1)
⇒ 低位と高位の中間をとり、H = 48.35 MJ/kg - 密度 ρ = 1.895 kg/m³ (*1)
- 基本料金 2070 円
- 従量料金 690 円/m³
- 燃焼熱 46.36-50.35 MJ/kg (*1)
- 風呂
- 容積 200 l
⇒ 水の質量換算 m = 200 kg - 水の比熱 cp = 4.217 J/g·K
- 容積 200 l
- 給湯器
- 効率 Q = 0.80 (*2)
- 設定温度は季節により変化する
- 冬(8℃ → 44℃) ΔT = 32 K
- 春・秋(15℃ → 43℃) ΔT = 28 K
- 夏(23℃ → 42℃) ΔT = 19 K
計算
以上の値をもとに、お風呂のコストを計算してみよう。まずはお風呂のお湯を沸かすのに必要なエネルギー E を算出する。
E = mcpΔT
給湯器の効率が Q = 0.80 なので、実際に必要な熱量 EE はEE = E/Q
そしてその熱を生み出すのに必要なガスの体積 V はV = EE/ρH
となる。計算結果
風呂一回分のガス使用量、料金を計算すると次のようになった。冬場は夏場の二倍近い量のガスが必要なことが分かる。
季節 | E | V | ガス料金(従量) |
---|---|---|---|
冬 | 30.4 MJ | 0.414 m³ | 283 円 |
春・秋 | 23.6 MJ | 0.322 m³ | 221 円 |
夏 | 16.0 MJ | 0.218 m³ | 150 円 |
また、お風呂を入れる回数を毎日、二日おき、三日おきと変化させると一月あたりの料金は基本料金を含めて次のようになる。炊事によるガスの消費量は、電子レンジや電気ケトルを使えば風呂に比べると圧倒的に少なくなるので、普段の料金と近いのではないだろうか。
季節 | 毎日 | 二日おき | 三日おき |
---|---|---|---|
冬 | 1万639 円 | 6355 円 | 4927 円 |
春・秋 | 8735 円 | 5403 円 | 4292 円 |
夏 | 6583 円 | 4326 円 | 3574 円 |