タムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A005) レビュー

2013年1月に中古品を購入したこのレンズ。主に野鳥を撮っている。安価ながら手ぶれ補正もよく効き、コントラスト、解像度ともに良く重宝している。

このスペックのレンズとしては普通の大きさ。EOS 60D に装着するとバランスが良い。

開放から使える画質

望遠端で少し絞って撮影。F 8.0 で解像度がピークとなる。ピクセル等倍で見ると、羽毛の毛の一本一本を確認することができる。

開放で撮ると少しソフトな描写になる。被写体によって使い分けるといい。ピント面前後では 2 線ボケになる傾向があるため、少し使いづらい場面もある。

逆光にも強い

新しいレンズだけあって、水面の反射を入れて撮ってみてもフレアやゴーストは発生しない。背景の形がはっきりと出るレンズなのでこういう場面が似合う。

周辺部でフリンジが出やすい

中心部のパープルフリンジはほとんどの場合 Camera RAW で補正することができる。晴天の昼間など明暗差が特に大きい場合、周辺部に気になるレベルでフリンジが発生する。

強力な手振れ補正

EOS 60D に装着すると 35 mm 換算 480 mm 相当の画角となるが、手ぶれ補正のおかげで手持ちでも快適に撮影できる。ファインダーを覗いてシャッターボタンを半押しすると、ファインダー像がピタリと止まる。そのためフレーミングしやすいのが嬉しい。

一方で撮影時は、シャッタースピード 4 段分と言われているほど効果はなく、望遠端で 1/80 秒ほどの速度は確保したい。これは約 2.5 段分に相当する。

快適なフォーカシング

オートフォーカスに関しては速いという評価もあれば遅いという評価もあるが、前景が込み入っていなければ超音波モーターでスッと合う、そのくらいの中庸な性能だと思う。

野鳥は小さくて前景に他のものが入るか、もしくは至近距離での撮影となってしまうため、ほとんどマニュアルフォーカスを使っているのだが、ピントリングは滑らかで操作しやすい。フルタイムマニュアルフォーカス機構を備えているので、オートフォーカスに設定してあった場合もすぐにマニュアルで操作できてよい。

ピントリングの回転角は、無限遠から 3 m までが約 70 °、そこから最短撮影距離の 1.5 m までは約 90 ° と大きい。回転角は大きいほうがいいという意見もあるが、これくらいの精度が出るなら、もう少し狭いほうが素早く操作できていいと思った。

まとめ

タムロン A005 は気軽に買えて気軽に持ち運べて画質もよい、と三拍子揃ったレンズだ。中望遠から超望遠をカバーしながら手頃な大きさと手ぶれ補正を備えているため、シャッターチャンスが増えそうだと期待している。